なんちょうちゃんと!~出産~
いよいよ、受診日。
もしかしたら、今日が赤ちゃんの誕生日になるかもしれない。
不安だけど、ワクワクな私。
エコーの通りだったら、おそらく女の子。
早く会いたい。抱っこしたい。でも、帝王切開ちょっと怖いな。
そんなことを想った朝でした。
もしかしたら手術かもしれないので、ゆったり朝風呂に入ります。
ちょうど、お風呂から上がった時、私のスマホに着信が。
出てみると、産婦人科でした。
「ドラさん、受診時間すぎてますよ?」
えーーーー!
こんなうっかりなことある!?
もしかしたら今日出産かもしれないというのに、どんだけアホなんだ私!
もう、恥ずかしいやら呆れるやら、
「今すぐ行きます!」
とまだ乾ききっていない髪を振り乱し、急いで産婦人科へ。
結果、産婦人科では笑われる始末( ̄▽ ̄;)
先生からは「産まないのかと思った」と言われてしまい(笑)
いやー、アホすぎた。
そして、エコー検査。
結果は、
「逆子、治ってないね」
はい、帝王切開。
もう、それからは、看護師さんの言われるままに準備。
バクバクと鳴る心臓。こわいこわいはやくあいたい!
とーちゃんは手術中も立ち会ってくれるというので、それだけが救いでした。
準備を整え、手術室へ運ばれる私。
手術台の上へあがる。
生まれて初めての手術に恐怖は一気に最高潮へ。
こわいこわいこわいこわい!
結構痛いと聞いていた麻酔の注射の感覚もわからなくなるほど、恐怖が一気に私を包み込んでいました。
先生が麻酔が聞いているか確かめます。
「感覚ありますか?」
「わかりません」
そう、もう、感覚ってなんだっけ、ていうくらいパニックに陥っていました。
途中で麻酔が切れたっていう話も耳にしたことがあったため、本当に怖くて仕方がありません。
とーちゃんがずっと私の左手を握ってくれていたけれど、
もうそれすらも感覚がないほど。
息が荒くなって、酸素マスクから強めに酸素が排出されます。
脳に酸素が回ったためか、少し落ち着いてきた私。
そこから、手術が始まりました。
先生たちは手馴れている手術のため、雑談をしながら進めます。
その雑談が安心感をもたらしてくれました。
きっと、そのためにしてくれているのかなあ、と思いました。
左手を握っていてくれるとーちゃんの手の感触も戻ってきました。
そして、あっという間に、
大きくてかわいい泣き声が、手術室にこだますのでした。
たいくんの時は自然分娩で、25時間の陣痛を経て、ようやく産んだから
産まれた瞬間泣いてしまったけれど、
帝王切開って果たして産んだ感覚あるのかな、って正直思っていました。
でも、その産声を聞いた瞬間、
たまらなくいとおしくて、私は泣いていました。
自然分娩だろうと帝王切開だろうと、同じように10ヶ月もの間マイナートラブルなどに悩まされながら必死で育ててきて、ようやく会うことができた赤ちゃんの誕生に、思う気持ちは何も違いはありません。
感動に打ちひしがれている私とは裏腹に、産まれた瞬間、気持ち悪くて途中退場したとーちゃん(笑)。
たいくんの時も立ち会ってくれたけど、ジャキジャキ、と肉を切る音がなんとも耐えられなかった、と後日語ってくれました。
それでも立ち会ってくれたとーちゃんに感謝です。
後処理のため、麻酔を足されて、意識がうつろになります。
それでも、
「うれしい、無事に産まれてきてくれた、本当にありがとう。」
と思うのでした。